GVVC Weekly – Week 100


Sean Nicholas Savage – I Believe In Everything (Official Video)

ショーン・ニコラス・サヴェイジが引き続きArbutusから10月にリリースする新作LPより
先行ビデオ。素晴らしい、本当に。例のミュージカルにますます引っ張られた音楽性だと
思うけど、もともとその傾向あるし、だからこそのあの企画だったわけで、ジャケットも
もろにそんな仕上がりと、そのうちディ○ニーの挿入歌とか歌い始めかねん。映像も中々、
モノクローム着色の森にて本人が独壇場繰り広げますが実に観れる。ホンマ、スターやわ。

Kate Bollinger – Feel Like Doing Nothing (Official Video)

ケイト・ボリンガーの新作EPから公開された先行ビデオは、映像ありきの楽曲チョイス。
何なんだよこのビデオはよ!色々とツッコミどころが多いが、面白いと認めざるを得ない。
動物虐待だと物議を醸した、「すべての生物が逃げる動き」の導入部で先手を打つ辺りや
最終的には絵もかっぱらっていくのが超謎だし、ラウンジーなアコースティックポップが
危うい雰囲気でどんどんネジ外れて崩壊していくトラックに完全マッチの本人による脚本。

Blood Beech – Touch Screen

サウスロンドンのデュオ、ブラッド・ビーチの新曲です。何かガレージ系のバンドみたいな
名前、そしてビジュアライザーはインターネット系、なのに実際の音楽は少しジャジーな
ラヴァーズ・ラウンジーR&Bというミスマッチで面白い。そして普通にいい曲なんですよ。
このロゴとか3Dのイメージとサウンドの組みわせが猛烈に印象に残ってね、本当新鮮なの。
歌の方はルーシーなのに、コンポーザーの方はSleepy Eyeと名乗っててその辺もウザイね。

Gia Ford – Sleeping In Your Garden

ジア・フォードのニューシングルはDirty Hitを離れての発表でロンドナー感全開の音楽性。
去年何曲かは聴いていたはずだけどこういう音楽性だった印象がないから、レーベル離れて
間違いなくよかったね。少しだけゴスでグラマラスなダウナー・ロックSSW的サウンドで
THE KILLSがSacred Bonesからリリースしたらみたいな塩梅の音楽だと思う、格好いい。

Eric Copeland – Motor

Black Diceのエリック・コープランドによるソロ新作からのビデオです。毎年、何かしらは
出す印象の創作モンスターも、一昔前を考えると信じられないような音楽になってきてる。
ブラック・ダイス本体でこれくらいポップに聴けるやつやってみてくれたら面白そうだけど。
レーベルも今回POST PRESENT MEDIUMからということで、納得のサウンドだと思います。

beabadoobee – Sorry

ビーバドゥービーが満を持しててリリースするデビューアルバムから、新たな先行曲ビデオ。
すごい好きかというと全然そんなことはないんだけど、出だした頃よりもボーカルがかなり
洗練されてきてると感じる。もう本当、音楽は翳りあるオルタナロックでしかないから特別
何も語るところはないが、いいシンガーだと思うし、この手はこういうルーザー気質のある
ヤツがやってないと様にならないから、凄くアイコニックだし人気出る下地は完璧でしょ。

Ziemba – True Romantic [OFFICIAL VIDEO]

ジーンバのニューアルバムからタイトルトラックが二番目の先行曲としてビデオで公開です。
大味なアンセム系の楽曲だけど、節回しっつーかね、吹っ切れてていいよ。シンガロングを
喚起する力普通に強いと思うし、絶対なんかのメロディからもじっていって作った曲なのは
バレバレだけど、明確にこれってなければ別にそれでいいんじゃない。ダサい映像といい、
ジャケットといいlate 80’sの洋楽ヒットソング感満載です。”I, I must be a true romatic,”

Alaska Reid – Boys From Town (Official Audio)

Alyeskaというバンドのボーカルだったアラスカ・レイドは去年からソロでも楽曲を発表中。
その新曲で、昨年のソロデビューに引き続きPC MUSICのA. G. Cookが共同プロデュースっ
てことになってますが、そこからイメージするものではなく普通に元々のバンドの方向性を
アップデートしたオルタナ・ポップとしか表現しようのないサウンド。よくわからないのが
リリースで大々的に彼の名前を出してるわけでもなく、単純にSpotifyのクレジット上では
そうなってるというだけなんすよ。割といいボーカルとは思うけど全然特別なものを感じる
ようなものではない。まあ多分この子はね、ルックス含めパーソナリティというか、人間が
魅力的な奴に違いない。そういう人脈ありきで出てきてるのって雰囲気見たらわかるから。

Lapis – Blue In Orange

すまん、流石にこれはKing Kruleキレていいと思う。あらゆる方向性が同じじゃねえかよ。


Goldmund – Day In, Day Out

キース・ケニフのピアノアンビエントプロジェクト、ゴルトムントが新作をリリースします。
やっぱりなんかいいんだよな。Heliosの方は正直ちょいダサの微妙だと思うし、こっちも
決して深さはない。でも提示されてるものがわかりやすいし、とっつきやすいんだろうね。
昔の完全にピアノ独奏で、ある種殺風景さのある時の方が芸術点高かったし、その時はもう
恵比寿のフレンチアンティーク屋とかスノッブすぎるアートブック系に振り切った本屋とか
そういうところでのBGMにすごく適した音楽だったが、そこから少し間口を広げていって、
近年はもっとちょいスカしたインテリアショップのBGMくらいのところまで下げてきたね。
今回特にリバーブ深めのシューゲイズ系アンビエントドローンやシンセレイヤーも増し増し。
いや、名前ゴールドムンド呼びでもいいんだけどさ、一応クラシカル枠だしこっちかなと…。


Drauve – TRY

ペンシルヴァニア州ピッツバーグのデュオユニット、ドローヴからの新曲がまた出ました。
正直こういうのを紹介するのってなんか違うっていうか、基本的には避けてる。あまりにも
毒にも薬にもならない存在だし、ちょっとオシャレ目のコード感で、都会的で、甘くソフト
…量産型であることには変わりない。でもその中でも、ちょっと特によくできたものとか
たまに遭遇すると、深い意味ではないんだけど、やっぱいいなとはなるんだよね。これが、
ギリギリそのラインで、なんていうのかな…工業製品でも、縫製やカットの雑さというか
仕上がりのバラつきがあって、安価で無限に生産されるものの中でも、ランダムに、偶々、
いい感じのバランスで仕上がる事がある。IKEAで売ってる500円以下のぬいぐるみの個体を
一個一個細かく見比べてみたりしたらわかると思うんだけど、好きな顔を探すの楽しいよ。

今週のLP/EPフルリリース

Drugs – Episodic (LP)

ちょっとダサカッコいい系であることは確かなので、間違ってもおしゃれなお店とかでは
かけてはいけない。フガジとかも絶対聴いてきてるであろう感の上で、鳴りはおもっきし
エモ系がベースでいながらテンションコードを多用するあたり、日本で言うバンアパ的な
サウンドで、曲によりねじれポップ風のインディやマスロック・ポストHCフィーリングも。
すげーバンドやってる感がリアルに伝わってくるからこの手合いは個人的に贔屓しがちです。
絶対に宅録や個人では生み出せない音楽性、かつジャムに振り切らず、その場でお互い音を
出し合いながら、あくまでもちゃんとした楽曲構成ありきで展開を組み立ててくんですよ。
良いフレーズがバンバン飛び出てライブ映え必至。これはバンドキッズ垂涎の音楽性ですわ。


Washed Out – Purple Noon (LP)

これでいい、これでいいんだよ。やはり人間一番得意なことを軸にしてやり続けるべきと
再確認させてくれる。繰り返されるセルフアップデートこそ至高、これぞこの人の音楽、
出だしたころのあのサウンドの正統進化が1曲目からここで鳴ってるわけです。流行りや
時流とかは一切、気にするべきではない。そしてね、ちゃんとサブポップに戻れてる所も
ポイントで、軽く泣けてくる。チルウェイヴっていう文脈はもう関係なくなった。これが
あなたの証だしあなたそのものでしょ。このサウンドをいつまでも大切になさって下さい。


June of 44 – Future Histories In The Time Of Love And Survival (LP)

20年ぶりなのに思ったより変わってない。前から思ってたがポストロック枠なのはなんか
ちょっと違う気がするんだよね。ポストパンク化したTORTOISEみたいなところあるから
まあ遠くないのかもしれないけど、ちょっとダブ的だったりもするし、かなり一筋縄では
いかない音楽なのは間違いない。しかし、こんなに地味なレジェンドの復活ってあるか?
まあ今回のこれ自体が名盤かどうかは置いといてすげー格好いい音楽性。ポストHCだね。