GVVC Weekly – Week 123


SPIRIT OF THE BEEHIVE – THERE’S NOTHING YOU CAN’T DO [Official Music Video]

スピリット・オブ・ザ・ビーハイヴの新作アルバムが告知され最初の先行曲がビデオで公開。
このバンドはなんか底知れない魅力があるんだよね、曲の振り幅が結構広くて、今回は少し
重めというかソニックユース的な雰囲気が強いけど割とセレナマニッシュ系シューゲイズの
ノイジーな甘さを仕込んであって芸術点高いし尺がコンパクトなのもいいよ。後半荒ぶるが
度を越してないから聴けるし、前作はもっと純バンドサウンド風だった気がするけど今回は
この感じなのかな。多分LPにはもっと全編が甘めの楽曲もあったりするだろうから楽しみ。
頭にもTheが付いていたはずだけど、地味に改名したっぽくてbandcampの垢も変わってる。

The Lazy Eyes – Where’s My Brain??? (Official Video)

シドニーのザ・レイジー・アイズが新曲ビデオを公開。サイケ・フィールのクラウトロック
って感じなんですがシンセは一切使わずギターにエフェクターで若干レトロ・コズミックな
サウンドを付加しており、カタブツの陰気グルーヴになりがちな長尺クラウトビートを展開
していながら、オーストラリア人だからなのか印象が割と明るいんだよね。ブレイクの後で
戻ってくるとこで顔芸付きのエンヴェロープフィルター白玉が炸裂するところとか必見です。

Caithlin De Marrais – Good Luck Come Back (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

レイナー・マリアのケイスリン・ド・マライスが来週リリースするソロ新作アルバムから、
最後の先行トラックがビデオで公開。この人に限らず元バンドのイメージとその対比で加点
されるっていう側面はどうしてもある。そんなに深い作りじゃないと思うけど、なんか妙に
説得力をもって響くベッドルーム・ポップ的な浮遊感のあるサウンドで歌が結構カワイイの。
プレスリリースにはデペッシュモードがプロデュースしたエンヤmeetsSZAって書いてある、
まあ分かるような分からんような…アコースティックで行ってもいい感じになりそうだけど
割とコアな音楽で長いキャリアある人が歌ヘタクソなまま敢えてコレって滋味が出て素敵ね。


Lithuania – Lately

フィリーの3ピースバンド、リトアニアがbandcamp fridayに合わせて久々のリリースです。
2曲シングルですがこちらを紹介、少しだけ重めにマキシマイズされた中期Built to Spill的な
インディロック・パワーポップサウンドですが、やけに元気なこだわりのドラム・プレイが
めちゃ目立ってて格好いいのです。toe並みに主張してるんですが歌モノの曲を邪魔してない
ミラクルアレンジ。ジャズやフュージョンもびっくりの、他パートほぼ静止系ドラムソロまで
後半入ってきます、おまけにそこが蛇足じゃなくて普通に機能してるし、何かエンジニアが
ドラマーとしか思えない程ドラムの音が際立ってる。バンド名、「Japan」的な感じかな…。

Flock of Dimes – Two [OFFICIAL VIDEO]

Wye Oakのジェンがやっているフロック・オブ・ダイムズは引き続きSub Popからの2ndを
リリースするようで先行曲です。去年はほぼビートレスのコンテンポラリーなアンビエント
ポップのEPを出してましたが、今回はプロパー新作のようで1stと同じような路線の音作り。
個人的にこの名義を開始して最初の7″シングルの曲が凄く良かったんだけどそれは前作LPに
収録されなかったし、今回もそこまでなんだよなー。割と小気味のいいリズムに、コンプで
ペコペコした刻みの細かいシークエンスってのはこのプロジェクトでよく使ってくる。歌が
結構アタックのないフォームでそことの好対比だし、全体の音像は凄く整理されてて綺麗ね。

adrianne lenker – forwards beckon rebound (official video)

おなじみエイドリアン・レンカー、昨年のソロ作ダブル・アルバムからのビデオカットです。
ひたすら本人が荒野で踊るだけの映像ですが、とても美しくて潔い。正直ちょっと踊るのは
意外だったんですけど様になりすぎててこの人本当に格好いいですよね…。いつ観れるかな。

Rhye – Black Rain (Jimmy Kimmel)

ライが最新作から”Black Rain”をジミー・キメルでのスタジオもといスケート場ライブ披露。
今までのジャケット写真なんかのビジュアルイメージとこの音楽性がある上で、ジャージで
登場がまじズルいっすわ。つかこのミラーボールのあるローラースケート場みたいなのって、
日本にもあるのね。なんか画的に面白かったのとグルーヴがどう考えても音源よりいいです。
スタジオ録音版はリズムトラックの音作りが完全に微妙。線細く生にするだけで随分いい。

今週のLP/EPフルリリース

The Weather Station – Ignorance (LP)

先行で出てた曲が全て掛け値なしに素晴らしくそれがM-1~M-4の並びだってんでアルバムの
前半を全て公開してた格好になるね。シングルのレビューで散々言ってるが、ストリングス
アレンジメントが絶妙に効果的で本人が全てコントロールしてる事のプラス面が大きいなと
感じるし、全体的に調整がお上品。なんだけどドラムがパキっとバウンシーなのは意図的で
ロック風な縦のダイナミズムを伴ってるから過度にチェンバーポップ然とせず躍動感がある。
明瞭なミックスと、ドライと感傷が同居した知的で詩的な歌唱、アートに振れ過ぎておらず
聴きやすいポップさがあって、本当にグゥの音も出ないほど完成された音楽ですね。あえて
ケチ付けるとしたらキャリブレーションが完璧過ぎて曲の印象が似通ってるから金太郎飴感
あるところかな。でもそれって名盤にはある程度必須になってくる要件だし難しいところね。
テーマとしてなんか軽くアンチ資本主義的なきらいがあるぽい歌詞が散見されるけどあまり
過激なというかメッセージがかったものでなく、知ってると高を括る事は知らんと思った際
その後得るはずであった知見とその機会を無視するという事みたいなというかそんな感じ。
文句なしに最高傑作、去年聞いたどのアルバムよりも図抜けて素晴らしい、年1級の推薦盤。

The Weather Station – Parking Lot (Official Video)
最後の先行曲ビデオは今週出たためこちらで一緒に載せときます。ここへ来て鏡面の鎧なし。


sun june – Somewhere (LP)

実に美しいですね。これね、こういう広がりのある音像で流麗な方向性なのに凄く瑞々しい
というか、作られていないサウンドで大自然を感じるオーガニックさ。ドリームポップとか
そういうイメージは出てこない、でも土臭くない。クリーンに整備された雄大な自然公園の
緑や噴水みたいな感じですかね?このバランスって意外といないというか、もっと空間系が
わざとらしい処理だったり逆にカントリーっぽかったりしちゃうんですけどニュートラルに
こんな音楽してるの不思議です。レイドバック味も程よくスローすぎないゆったり感でかつ
ボーカルはちょっとオトナな落ち着いた歌唱。一曲聴いてどうっていうようなもんではない
ということもあり先行曲とかでは印象に残らないんだけど、ちゃんとこういうを音楽拾って
行きたいですよね。なんとレーベルはRun For Coverです、ここの守備範囲はまじ侮れない。


Editrix – Tell Me I’m Bad (LP)

いや~ゴリってる。相当ゴリってるんだけどさ、ボーカルがこれだからかいい具合に”抜け”
として機能しててファッションでいうところの外し?みたいな作用が。ギターの音が流石に
ジャンクすぎて、楽曲はかなりマスロック入ってるんだけど初期のドンキャバレロというか
もはやライトニングボルトまである質感にねじれ系ポップってとこでディアフーフみたいな
感じっていうと最終的な落とし所としてはFang Islandだとか歌入った直後のテラメロスか。
まあ一言で片付けるならまずポストHCではあるのですが。ちょいちょいオシャレコードも
挟んできたりと、カッコいい瞬間もいっぱいあるんだけどずっと聴いてると少し疲れるかな。