GVVC Weekly – Week 154


Tasha – Perfect Wife (Official Music Video)

11月にリリースされる(フィジカルは12月)ターシャの新作アルバムから実質的にはこれで
2つ目となる先行トラックのビデオです。先月の“Lake Superior”時点ではLPのアナウンスは
なかったのですが、楽曲のクオリティからして実質先行曲であろうとこちらで予想した通り。
今回は今までで一番間口の広いポップス的な強度も持ちつつインディロックの範疇と言える
クリーンのエレキギターをベースとしたサウンドで、微かに香るソウルフレイバーと多幸感、
スタイリッシュでモダンかつリベラルなイメージと、アーロ・パークスなどとも共鳴します。
少しミュージカル風のメロディが流れるように軽やかで素晴らしく耳馴染みが良いためつい
何回も通しで聴いてしまう。おそらくこれがアルバム内で最もポップに弾けたラジオ向けの
よそ行きトラックと思われ、本人の笑顔はじける映像も雰囲気とマッチしていてグッドだね。

Kate Bollinger – Shadows (Official Video)

ケイト・ボリンジャーが単発のシングルをリリース、アルバムなどのアナウンスはまだです。
前作EPが中々良かったけど、そのままブラッシュアップしてきたね。この人の場合思うのは
バックバンドがなんかインディ系じゃ無いというか無難に上手い感じでそれが相当プラスに
作用してて、世にはそれがマイナスに働いてダサくなってる音楽もあるからそこは多少博打。
で本人の歌はなんかネジ外れた感じで、あくまでウォームでベッドルームなんだけども妙な
揺れとソフトなサイケ感が明確なカラーとしてあり、端正なバッキングとのコントラストが
不思議なテクスチャーとなってこれをアートに昇華している。淡々としてるトコがまた良い。
これ、ガツンと歌い込む路線になった瞬間終わるから是非このユルユルを保って欲しいな。

SHADY NASTY – PRETTYB0YZ

先月のトラックも紹介したシドニーのシェイディ・ナスティ、新作からお次の先行曲ビデオ。
今回はさしずめポストハードコア・ジャジーポストロック・人力ヒップホップ的サウンドで
どちらかというとインテリもやし系がやるサウンドスケープと、スモーキーでサグい香りが
完全に調和、同居しており異様なムードと危険な美しさを醸し出してます。見た目は超怖い。
やってる音楽がこんだけ格好良ければ、いくら属性がヤンキーというだけで絶許っていう位
不良を目の敵にしている自分でも認めざるを得ないですね。く、くやちい…(ビクンビクン)

Tirzah – Hive Mind (Official Audio)

ティルザの新作からさらなる先行トラック。ハイプ過ぎてウチで紹介する必要性も特にない
レベルだけど今んとこコレが一番好きかなー、トリップホップ度がアップしてなんというか
ダニ・シシリアーノがForest Swordsにプロデュースされたみたいな音楽性に。スノッブさ
ギリギリなところだと思うし、もう少しだけ即効性のある要素入れてもいいとは思うんだが
確かに最強の雰囲気モノというか非常にこれ格好いいと言いやすい、ヒップスター需要的な
側面があってそういう層に見事にハマった結果のこの評価だと個人的には思うんだけどね。

Billie Marten – Liquid Love

ビリー・マーティンが今年リリースした3rdアルバムからのビデオカットです。これ凄くいい
映像ですね。ワンカットのハンドカメラずっと回してるタイプですが細かい仕込みと全体の
ムード、瑞々しさと青春のエッジ、インティマシー、そして曇天。ごく局所的にNSFWです。

今週のLP/EPフルリリース

V.A. – Songs Without Authors (Vol. 1) (LP)

Sorryのメンバーが主宰するフォーク・コレクティブのコンピという事で、現行ロンドンの
著名ミュージシャンも相当数参加しており、それが必ずしもフォーク系に限った顔ぶれでは
無い為、非常に彩り豊かで奥行きのある全体像になっていていいよね。基本オリジナルじゃ
なくて伝統的なフォークソングから、もうトラッドとかいう次元すら完全に超越した本気の
土着民謡に近いようなものもあって、それが結構モダンなアレンジに編曲されていたり片や
村の祭りの余興的なニュアンスがあるものまで様々で、曲順も込みでうまくパッケージされ、
そのせいもあってか流して聴いてても音楽的な強度が凄い。参加者集合のジャケ写もたまに
見かけるやつとはいえ何だかムードが良くて、これはそう滅多に出るもんじゃないコンピの
名盤って次元に到達してるんじゃないかと思うよ。映画一本観たような聴後感、お勧めです。