GVVC Weekly – Week 75


Dogleg “Kawasaki Backflip” (official video)

3/13にTriple Crownから、フルアルバム”Melee“のリリースが予定されているドッグレッグ。
昨年の超スーパーアンセムGVVC年末リストでも上位に据えましたが、次の先行曲がこれ。
音楽性はエモコア止まりなんだけどパフォーマンスや演奏のダイナミズムはもっと激情系で、
性急なメロディックパンクと初期モックオレンジ的なモノの中間地点。細かい展開はいろいろ
遊んでるんだけど、リズムのギミックが曲の勢いを削らない程度で止めてて丁度いいんです。
これ天然でやってるのかな?かなり練って調整したものに聴こえるけど、ネタだしは明らかに
スタジオでジャムって作ってるから、そこからサラっと組み立てただけでこの展開・構成なら
マジでホンマもんの天才だと思うけどね。不良っぽくなりがちな所もナード寄りに感じるし
歌メロもギターの音もどこかクド過ぎなくてサラリとしてる点がこれをよりインディの範疇で
語れるものに近づけてる。あと柏のクリスティアーノみたいなボーカルの奴の声が超いいの。
スクリーモまで行かないEMO半シャウトって意外と誰にでも出来るもんじゃないんだけど、
この曲の最後んとこで100点満点の出てるから注目ね。このバンドは本当に成功してほしい。
ちなみにLPのタイトルはあの大乱闘スマッシュブラザーズからとってるらしく、Foxってのも
スターフォックのキャラのことなんだってさ。さらに面白いのが、Doglegのライブでは
ベースの奴とスマブラで対決して勝つとチケ代タダになるっていうサービスがあるらしい。

Red Moon – Dogma

スイス系のノルウェー人SSW、レッド・ムーンのサウンドは神秘的なチェンバー・ポップ。
これがデビュー曲とのことで、表立った活動開始がそもそも去年の中ごろというところでも、
このクオリティからしてDIYインディという趣のものではなく何人も絡んだ一大プロジェクト
として始まったものであるのは明白で、その点では基本あまり応援したくなるものではない。
ただ、ひと回し終わってから挿入されるレコードノイズ風ビートとの組み合わせが白眉で、
タップダンスの音に過激なEQかけたようなサウンドが終わりまで続くのですが本当効果的。
音楽性自体はさほど珍しいものではなく北欧とかアイスランドのSSWによくあるタイプだし
声もそこまで特徴ないけど幽玄に寄りすぎなくてオーセンティックめな風情が残るというか
アーティスティックに振り切ってはいないところがイイなと思ったよ。もう少し聴きたい。

Sharon Van Etten – Beaten Down

シャロン・ヴァン・エッテンが早くも新曲をリリースをしました。録音からしても明らかに
ちょうど1年前くらいに出た前作の延長線上ですので、直ちに新作というわけではなさそう。
少しは落ち着いたかなという印象の楽曲で、スペースを広くとった構成ではありますが、
ビッグな音響とシンセの存在感、マスキュリンでグラマラスなイメージは継続されてますし、
大御所の深淵な音楽に聴こえなくもない、ゴシックフォークというか、なんか重い音楽です。
正直、個人的には2nd辺りまでのちょい貧乏くさい感じが好きだったので、あの頃の密室で
画家のアトリエと生裸のフォークシンガーみたいな世界からはかけ離れてしまいましたね。
でもこれはこれでいいと思いますし貫禄があるというか、プロい音像。少し疲れるけどね。


SUN ARAW – Roomboe (edit)

サン・アローの新作アルバムが出るようで、先行曲はRadio Editの編集バージョンで公開。
いつもの脱臼腰抜けサウンドの中に、スティールパンやホイッスルとトロピカル要素多めで、
相変わらずな感じではありますが、よりポップな鳴りに感じます。本編かなり楽しみですね。
本当このタイム感とレイヤーは誰にも真似できないというか、唯一無二の音楽性。巨匠です。

Bat For Lashes – The Boys of Summer (Live at EartH, London, 2019)

バット・フォー・ラッシェズのライブテイクEPから、ドン・ヘンリーのカヴァーが公開。
これが、かなりハマっててイイです。ドラムレスの削ぎ落とされたアレンジですが、何か
ライブとは思えない程ボーカルが完全に活かされた素晴らしい音源で、態々出すのも頷ける。
ビートの無いトラックだけど、ウェットで感傷的な音作りにぶっといシンセ挿入ってとこで
ある意味、クロマティックスがたまにやるバラード系トラックのサウンドにも聴こえます。

Hinds – Good Bad Times

いや、大胆に変えてきたね。個人的にはこの路線の方が聴きやすいけどさ、本人たちは
打算なしでホントにこれがやりたくてやってんのかな?スペインっぽさってのはどうしても
あって、良くも悪くも繊細じゃない、大ざっぱな雰囲気はある意味でインディっぽいし、
ドリーム寄りのサウンドになっても元々のストリート感をうまく保っていてそこは良い。
あと、めっちゃ訛ってて、一瞬スペ語に聴こえるとことかもあるよね。ナイスなB級グルメ。

Jockstrap – Acid (Official Audio)

Warpのニュー・シグニーはロンドンのジョックストラップ。新人ではなく、1年半位前に
EPのリリースがありますが、基本的に音楽性はそこからそれほど変化しておらず、
クラシックなミュージカル風ポップスに、ちょっと歪なエレポップをミックスしたような
テイストで、オシャレ目なのでザ・バード・アンド・ザ・ビーやQUADRONのラインに
morr musicの歌もの系みたいな方向性でしょうか。高級路線のインテリアショップで
セレクトされていそうな音楽ですね、CIBONEやCONRAN SHOP的なね。間口が広そう。
でも、いかにもここ10年弱のワープが連れてきそうな感じではあるから、納得のチョイス。
曲名やジャケットのアートワークが恐ろしく音楽と合ってないけど、何なんだろうね。


The Radio Dept. – The Absence of Birds

ここ2,3年は単発シングルとか編集版ばかりのイメージでアルバムが出てないですが、
もう大御所というか、貫禄と安定感がすごい。まさにスウェディッシュ音楽という感じで、
日本で求められる、ちょっと切なくて淡くジェントルな北欧エレポップのイメージそのまま。
1stの印象が強く、当時はシューゲイズのくくりだったりしてもっとザラッとした音でしたが
超傑作の3rd辺りからとにかく優しく丸いサウンドに定着してクオリティが上がりましたね。
キャリア的には15どころか20年近いはずで、わりと社会派だったりと唯一無二の存在です。

BENEE – Supalonely ft. Gus Dapperton

ニュージーランドの女の子、ビーニー。このR&B寄りメインストリームポップみたいな装いで
かつ宅録インディポップ風でもあるという、それが曖昧な発現ではなく両方に同時に全振り
したみたいなイメージで、しかも見た目はモサくなったビリー・アイリッシュときたもんだ。
すげー今時の子っぽいしなんか、こんなバランスが余裕でアリなら素敵だね。ちょっと注目。
フィーチャリングで出てくる男の子の軽さもいいし、なんかクラブヒットのポテンシャルを
感じます。ポップスはこれくらいライトウェイトで、気楽なモノでいいのかもしれないね~。
ちなみにトラック自体は昨年11月に出ていて、この度ビデオが初公開となったみたいです。

Pool Kids – $5 Subtweet [OFFICIAL MUSIC VIDEO]

完全にタッピングとかしちゃうEMO~マスロック系のフォーマットで、落とし所はポップに
って感じです。確かにこういう女性ボーカルが乗ってるのはあまり耳にしない気もしますね。
日本にこの手のアンサンブル演るバンドって割と居そうだし、15年くらい前にライブハウスで
爆発的に流行った、ポストハードコアと綺麗目のポストロック・エモをメロコア上がりが
始めてみましたっていう系譜の流れで語れそうな音楽性で、基本的には聴いてて楽しいかな。
ちなみにコレ全然新曲じゃない、1年半くらい前に出たアルバムのトラックに突然ビデオが
作られたというリリースです。どうもこれが始めてのMVらしく、ひとつだけ選ぶならコレ!
ってな所だったのでしょう。新作からの先行とかじゃないタイミングならそうなるよね~。

Carly Rae Jepsen – Let’s Be Friends (Official Lyric Video)

たまに名曲が出るので侮れないカーリー・レイ・ジェプセン、昨年も”Julien”がありましたが
今回の新曲もなかなかの出来だと思います。ちょっと新機軸というか、やや俗悪キッチュで
まあ決して趣味のいい音楽ではないんだけど、ボーカルの良さがめちゃ活かされてると思うし
ミックスも非常にスッキリしてて気持ちいい。親戚の中学生とかが部屋で流してるの聴いて
へぇ〜、コレ誰?いいね〜とか声かけたくなる感じというか…わかる?ティーン・ポップ。


Oldsoul – You Were Overwhelmed (LP)

フルでリリースされました。基本はUSオルタナ・ポップにややエモみを加えた女性Voもの。
すごい攻めたところはなくて中庸なサウンドなんですけど、バランスがいい。ボーカルが中々
めんどくさ系の歌い方なので、そこである意味帳尻が合ってるような。ジャケ写が謎センス。